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あいたくないわけじゃない

あいたくないわけじゃない

この間清四郎に言ったんだ。
放課後の生徒会室で、メンバーは他にいなくって、あたしは自分で考えてもみないことを言っていた。

「あたし、清四郎が好きだな」

その時、どんな会話をしていたかちょっと覚えていない。
なんか、食べ物のことだったか、好きなアニメとか、音楽のことだったかもしれない。
だからホントは、

「あたしもそれ、好きだな」

だったかもしれないし、

「あたしも清四郎とおんなじ、好きだな」

だったかもしれない。

けれど、清四郎の返事は鮮明に覚えていて、こう言ったんだ。

「その好きって、友達としてでしょ?友達として、大切だって意味でしょ?
それなら僕も同じで、悠理のこともみんなのことも同じくらい大切ですよ」

うん・・・そうだよね。
そう、あたしもおんなじ。

みんなおんなじ

この会話からもう一度記憶をたどってみると、どうやら食べ物とかアニメとは思えない。
やっぱり“清四郎が好きだ”と言ったんだろうな、たぶん。

なんでそんなことを言ったんだろう。
どんな会話から、そんな展開になっちゃったんだろう。
清四郎は普段と変わらない顔でさっきの返事をしたんだけど、それってどんな気持ちで言ったんだ?
そこんところを考えると、なんだか胸が苦しくなっちゃう。

好きってことでもない、でしょ。
まぁ、仲間として大切。
たぶん、たぶん・・・きらいって、言えなかったんだ・・・と、思う。

どうしてそう思うかと言うと、この間もテストの結果が悪くて説教されて、言い返したらケンカになって。

「悠理といると本当に疲れる、悪いけど」

って言われたもん。

・・・・・

まぁ、いいさ。
しぱらく距離をおいて、会わなきゃいいわけで。
ホントは今日、生徒会活動がある日だったけど、サボっちゃった。
なんだか、会いたくないもんね。
けど、今、ラインが届いて、見てみると清四郎だ。


今日中に提出してもらいたい運動部の書類があったのにサボるなんて。
何のつもりだ?

何のつもりって?

悠理は部長の自覚がなさすぎ。

めんどくさー

最近のおまえは

でラインが切れる。
ん?
着信だ、やっぱりね。


「どうして来ないの?前から言ってたでしょ、今日は運動部の来期見積もり提出日だって」
「だってさ~」
「だってとは何だ」
「だっていつも清四郎がやってくれるじゃない」
「でも、いつも悠理も一緒にやるでしょう」
「そうだけどさ・・・」
「うん、ねぇ」
「だからさ。あの、行きづらいって」
「私情を挟むな」
「・・・・・」

・・・・・

「ふうむ。あのね、悠理。別にお前を嫌いだとか、もう会わないとか、近くにくるな、何て言ってないでしょ」

ぐっさぁ~。

「僕達は仲間なんだから、何も変わらないし、これからもそうでしょう」
「う~ん」
「うん、ね?」
「まぁ、ねぇ」
「好きで大切って、僕はすごいと思う。他人に対してこれだけの感情を持てるって、本当に特別だと思う」
「う、ん」


あたしは・・・とくべつ・・・?


「僕も悠理が好きですよ。仲間として友達として・・・一人の人間として」
「!!」
「バカで大食いで空気読めないこと多いけど」
「えー!!なんだよっ!」
「でも僕にないいいところをたくさん持ってるし、仲間をとても大切に思っているし、僕よりもスピードがあるし」
「うん。ん?」
「実はここだけの話、尊敬できるところもあったりして」
「ん?え?」


珍しくペラペラよくしゃべる。
このままだとうまく流されちゃう・・・


「ねぇ、結局、行かなくてもいいんでしょ?今日」
「悠理は自分が尊敬されてるところを知りたくないの?」
「尊敬って・・・」
「悠理が尊敬されてるんですよ、この僕に」
「この僕って、ずいぶん上から目線だな」
「知りたいでしょう。この僕が悠理を尊敬するんだから」
「あとでいいよ。ロクなこと言わないんだから」
「そんなこと、ありませんよぉ」


そして、
まずいいから来なさい、だって。

今さらあの日のこと、むしかえしたくないのに。
聴きたくない言葉はいらない。

でも電話のあとで届いたラインにこうあった。


来ると、悠理にとって良いことがあるから。


ふーん、行かないわけにはいかない、かもね・・・





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