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友達、それとも・・・

魅録といつもの学校帰り。
二人が大好きなアジアン雑貨店に寄って、それからお茶をして。
週の何回かはこんな感じに魅録と過ごすんだ。
週末や生徒会活動がある時は、もちろんメンバーとも過ごす。
それだって、大好きな仲間とだから楽しい。

でもね、最近、ちょっと違うって思うんだ。
それは何かって、具体的には説明できないんだけれど、ね。

魅録との距離、魅録からの距離が近づいているって感じる。
それは・・・なんだろう?
例えば、何かしてる時にさ、ふっと触れられるような気がするんだ。
そう、例えば、その辺にある雑誌を取るとする、そんな時。
あたしの方が近いから、取ってあげてもいいのに、魅録ったらあたしの体に腕を回すようにして取るんだ。
それが、そう言うのが、気になっちゃうワケ。

もしかしたら、もっと前からそんなコトがあったのかも知れない。
でも気にならなかった。
今は気になる。

どうして・・・

お茶の後、いつも通りに魅録の部屋で過ごす。
テーブルの上に魅録のスマホがあって、着信した。
マナーモードのバイブがガタガタ鳴り出し、近くでソファに座って漫画本を借りて読んでいたあたしがそれをつかんだら、魅録はあたしの手ごとつかんだ。
大きな手があたしの手の自由を奪った、そんな感じがした。

「魅録・・・」

びっくりして振り返って見ると、魅録の視線はスマホではなくてあたしに向いていた。

「電話は?」

そう言おうとした瞬間、あたしの唇に魅録のそれが重なっていた。
手の中のスマホのバイブがしばらく鳴り続けていたのを覚えている。
魅録の手の温かさも。
抵抗したくても体が震えてできなかった。
ぐるぐる頭の中を巡らしていたら、魅録じゃない顔が浮かんだ。
それが最近“違う”って感じた理由なんだって思った。
じっとそんなことを思っていたら、唇と手の温もりが離れていった。
とても寒く感じた。

「なんで?」

こんがらがった頭を整理しながら訊いてみる。

「なんでって、俺達、そろそろこうなってもおかしくないだろ?」
「そうじゃなくて、なんで電話に出なかったの?」
「電話に出るより、お前の方が大切だから」
「あたし、違うって思うんだ」
「何が?」

そうだよ、違うんだよ、魅録。
だからなんとかしなくっちゃ・・・

「あたしが、間違っていたんだ」
「悠理?」
「魅録は悪くない。多分あたしが悪いんだ。今、気づいた」
「何に?」
「でも、魅録は大切な友達でいて欲しい」
「友達?」
「友達」

魅録はその時、今まで見たことないほど悲しい顔をした。
でもこのままでいたら、間違ってしまうんだよ。
もっともっと傷つける。
友達でもいられなくなっちゃう。

「ごめん」
「謝るなよ。俺が、かわいそうじゃん」
「だって、ごめん」
「だから、謝んな。悪い、今は・・・独りにさせて」

うん、ってあたしはソファを立ち、ドアまで歩く。
足がガタガタして、心臓がバクバクしてきた。
今になってことの重要さを知ったんだ。
それなのにあたしったらバカな質問をまた投げかける。

「ねぇ、あたし達、これからも友達でいられる?」

魅録はハッとしたように顔をあげ、また悲しい顔で、目であたしを見る。
そして、左右にゆっくり首を振る。

「悪い。今は分かんない」
「うん」

あたしはドアを開ける。
ドアの向こうは外。庭に建てられた魅録の特別な部屋だから。

ぴゅうっと冷たい風があたしの頬を吹き抜ける。
でも魅録が触れた唇と手はまだ温かい。そう、まだ。

あたしは歩く。
庭を抜け、通りに出る。
このままアイツに会うのはいけないことなのか分かんないけど、自分に嘘は吐けないから。

大切なもう一人の友達を失う覚悟で、幼馴染みの家に向かった。





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