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君が笑えば。

相手は、自分の心を映す鏡だ、みたいなことを野梨子に言われたけど、そんなことってあるのかな?
魅録に可憐、美童に野梨子だって、みんなニコニコ楽しくしてるのに、清四郎だけはムスッとしてる。
どんなに楽しい時だって、あたしを見るとイライラになる。
そうなるとあたしだってイヤな気持ちになるもん…。
きっと清四郎の鏡も、いつだってあたしがつまんなく映ってる。

「あら、それなら悠理の心の鏡を清四郎に見せて差し上げれば?
悠理が楽しいと感じた時、清四郎に笑顔と心の笑顔を見せたら、きっと清四郎も笑顔になりましてよ」 
「そうだけど、楽しくしていても、あたしといると楽しくなくなるんだよ、きっと」

そう言うと、野梨子は見たことがないほどのキレイな微笑みをあたしに見せる。 

「ねぇ悠理、私は、相手は自分の心を映すと言いましたのよ。悠理が変われば、清四郎も変わりましてよ」

どういうことだ?
清四郎の顔はあたしの心の顔ってことなのか?
じゃああたしは、清四郎の前だとムスッとしてイライラしてるってこと?

「清四郎に対して構えているんじゃなくて?私たちにするように、悠理のいっぱいの笑顔を見せてあげればよろしくてよ」

構えてなんていないよ、と思う。
ただ、清四郎がいつもムスッとしてるからいけないんだ。

「どーせ、笑わないよ」
「そうですかしら?私は、悠理が困った顔をしてるから、清四郎にうつってしまうんだと思いますわ」

驚いた。あたしが原因なの!?

「でも、どうしてそんなに清四郎が気になりますの?」

今度はいたずらっぽく笑って見せる。

「い、いや、だってぇ。あたしだって清四郎とみんなみたいに付き合いたいじゃん。
多分清四郎は、あたしがみんなより落ちこぼれているからイライラするんだよ」
「あら、そんな・・・ありえませんわ。でも悠理の、“みんなみたいに付き合いたい”と言う気持ちは大切。
その気持ちが笑顔ごと伝われば良いですわね」

野梨子は楽しそうに考えごとを始める。
そうですわねぇ、なんて、意味ありげな感じで。

「悠理が思っているようなことはなくてよ、清四郎は。
多分・・・いえ、きっと、悠理の笑顔は清四郎も変えますわ。幼馴染の私が保証してよ」

野梨子はそう言ってもう一度あたしに微笑む。
今度の笑顔は自信ありげで、さっきよりずっとキレイだった。
だからあたしも、ちょっとだけ自信が出る。
清四郎への微笑みに、自信が出る。

清四郎と、もっともっと仲良くなりたい気持ちを笑顔に込めたくなる。

嫌われてるワケじゃないのならって思って、勇気を出してスマホをタップした。

「もしもし清四郎?来週の中間テスト、分からないとこがいっぱいあるから教えてよ」
「珍しい。自分から勉強しようなんて、雪でも降るんじゃないかしら?」

あたしの声が明るいと、清四郎の声まで明るく聞こえるから不思議だ。

「今から清四郎の家に行ってもいい?」
「いいですよ、もちろん。ちょうどESP研究会の資料を作り終わったところですから」

こんなことってあるのかな?
清四郎が喜んで勉強を教えてくれるって。

気を付けていらっしゃいって、清四郎があたしに言う。
勝手なわだかまりが、あたしと清四郎の関係をおかしくしてたのかな?
デニムのトートバッグに教科書とノートを詰め込む。
なんだか、ワクワクした気持ちになる。

ホントは大っ嫌いな勉強だけど、清四郎が笑うと、好きになれそうな気がした。




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